A Field of Wisteria
Time of Road to Avonlea
 
さて、「アボンリーへの道」の舞台となった時代とは、いったいどのような時代だったんでしょうか
我々日本人には、当時の外国の雰囲気はなかなか分かりづらいものですが、ドラマの中で何度
か年の表示等がありましたので、キャラクターの成長をあわせて、わかる範囲でですが、ちょっと
歴史を見てみましょう。少しは身近に体感できるんではないでしょうか。
 

セーラの成長スライド
Little Bear's Home Page の小熊さんより画像提供)

 

Season

Episode

 

世界史・PEI史

日本史

1858年     ヘティ誕生 イギリスによるインド直接統治の開始 江戸時代だ〜
皆さんまだチョンマゲ
安政の大獄始まる
1871年     ルース誕生 ドイツ帝国成立 明治4年、廃藩置県
岩倉使節団が出航
1887年       シャーロットタウン街路に電灯入る  
1889年     ガス誕生 パリにエッフェル塔完成 大日本帝国憲法公布
1891年     フェリシティ誕生 露仏同盟調印
シャーロットタウン禁酒条例撤廃
(1920年にカナダ全土で禁酒法制定)
 
1892年       フォードが自動車を完成させる  
1893年     セーラ誕生    
1894年     ルース死去   日清戦争開戦
1895年     フェリックス誕生   日清講和成立
1896年       PEIにてダルトン・ウールトンがキツネの繁殖
に成功、財をなす
 
1897年     セシリー誕生    
           
1903年 Season1     ライト兄弟飛行機を発明 明治36年
アボンリーの魔女  
秘められた悲劇  
1904年     英仏協商成立 日露戦争開戦
Season2 フェリシティの初恋 フェリシティ13才
パパの死  
のろわれたバイオリン  
1905年 氷上の決戦 ダニエル誕生
セシリー9才
ロシア 「血の日曜日事件」
ノルウェー分離独立なる
(カールスタード条約調印)
日露講和条約締結
     
     
1906年       ロシア第一回国会開会
イギリス労働党が誕生
南満州鉄道(株)設立
日本社会党結成
島崎藤村「破戒」刊行
Season3 オリビアの結婚  
ジャネットの反乱  
吹雪のち晴れ フェリシティ15才
1907年     オーストリア普通選挙法導入決定
ノルウェー女性参政権実現
英露協商調印
日仏協約調印
義務教育6年に
(小学校令改正)
Season4 オリビアの赤ちゃん モンゴメリ誕生
愛犬ディガーの危機 フェリックス12才
それぞれのデート フェリシティ16才
1908年 聖バレンタインの日に   清朝、宣統帝溥儀即位
PEIでの自動車使用禁止
第一回ブラジル移民
出発
赤旗事件
行方不明のジョナサン  
     
     
1909年       トルコ、ブルガリアの独立承認
アメリカのロバート・ペアリーが北極点
に到達
伊藤博文がハルピン
にて暗殺される
Season5 おめでとう誕生日 ヘティ50才
   
レースの栄冠  
1910年 ガスの求婚   清国における英米独仏4国借款団成立
ナイチンゲール・トルストイ没
韓国併合
日韓条約調印
朝鮮総督府設置
Season6 生きていた母  
ないしょの内職 フェリックス16才
   
1911年     イタリア、トルコに宣戦布告
(トリポリ戦争勃発)
中国辛亥革命勃発
アムンゼンが南極点に到達
大逆事件で幸徳秋水
らに死刑判決
日米新通商条約調印
Season7 うわさ話に御用心  
移動博覧会  
ペティボーン家の危機 イジー15才
1912年     清朝、宣統帝溥儀が退位
第一次バルカン戦争勃発
イタリア、トルコとローザンヌ条約締結
明治天皇崩御
明治45年、大正元年
第五回オリンピックに
日本選手初参加
   
キング農場は大騒動  
デイビーの決断  
1913年 ガスの消息   第一次バルカン戦争終結
第二次バルカン戦争勃発
PEIにて、特定日、特定道路にて自動
車使用許可
フォード、ベルト・コンベアによる大量生
産化を実現
中華民国承認
救世主ジャスパー  
幸せな結婚式  
     
 
さて、いかがでしょうか。いくつかあやふやなところもありますが、急激な変貌をとげるこの時代に
あってアボンリーがいかに希有なのどかな豊かな地であったかがわかるんではないでしょうか。
第六シーズン、「キツネの人工飼育」の中でフェリックスがキツネの人工飼育によって毛皮で一儲
けを企みますが、これは19世紀後半から1940年頃までPEIで実際にブームになった話と云うこ
とです。フェリックス達の様に金網で囲ったり、キツネが逃げないようにいろいろ苦労したようです。
また、オリビアとシャスパーが缶詰工場の経営にのりだしていきますが、PEIでは1873年には、
わずか2軒だった缶詰工場が、1883年には約100軒に達していたと云うことで、オリビア達の様
に家族経営的な工場も多かったことでしょう。
ドラマの中で、ジャネットなどが女性参政権を求めるシーンなんかでてきますが、当時は政治的に
も大きな転換期であるのがうかがえます。
自動車の使用禁止令と云うのはおもしろいですが、1907年にはPEIではわずか7台しか自動車
はなかったと云うことで、当時かなり珍しかったようです。子ども達は走ってる車を見つけるとその
ナンバープレートの番号を覚えて帰って、どこの誰の車かを捜すという遊びをしていたと云うことで
す。ドラマの中でも、何度か自動車は出てきますが、子供たちの珍しがりようや、女だてらに車に
乗っているミュリエルに対する村の人たちの眼も、それを考えるとおもしろいです。
最後には、フェリックスが軍隊入隊を志願し、オリビアはアボンリーを離れていきます。

これらを観ていくと、サリバンがしっかりと当時の歴史背景をふまえて制作しているのがわかります。
よりいっそう、アボンリーが身近に感じられるのではないでしょうか。

第六シーズンには、セーラが留学のためパリへ旅立っていきます。当時のパリの雰囲気を味わい
たい方は、画家モーリス・ユトリロの絵を見てみてはいかがでしょうか。
1900年代初頭、しっとりとした石畳のパリの町並み、裏通りの絵が多く、当時の風俗等うかがえて
おもしろいです。ちなみに、1913年に作家島崎藤村がパリに行ってます。作家をめざすセーラとど
っかで会ってるかも…、な〜んてね。

Last Update : 6 Jun 1999