A Field of Wisteria



アンの映像の世界
 
  赤毛のアン

赤毛にそばかす、がりがりのやせっぽち、口を開けばはじけて次々と飛び出す楽しいおしゃべり。孤児と云う不幸な生い立ちをものともせず、人並みはずれた想像力でこの世界をすばらしく生きる少女アン。ちょっとした手違いから、プリンス・エドワード島の老兄妹マシュウとマリラのもとにひきとられたアンが、その旺盛な好奇心と、活発な行動力で巻きおこす愉快で滑稽な事件の数々。
愛情に飢えたアンが、他人に必要とされ愛される喜びを求めて努力するうちに、周囲の人々のより良い資質と優しさを引き出し
ていく。そしてアンもまた、本当に価値あるもの、かけがえのない愛を体得していくのです。

  原作「Anne of Green Gables」はもしかすると世にでなかったかもしれない事はファンの皆さんはご存知でしょう。出来上がった原稿をMontgomery は五つの出版社に送りますが、いずれも送り返されて来たため、がっかりして Montgomeryは原稿を納戸にしまいこんで忘れてしまっていたのです。その後別の探し物をしている時に偶然みつけて、軽い気持ちで L.C.ページ社と云う出版社へ送ったところ、出版と続編依頼の返事が返ってきたのです。見事1908年に出版された「Anne of Green Gables」はたちまちベストセラーになり、マーク・トウェインから絶賛の手紙をもらったことも有名な話です。
  「グリン・ゲイブルスのアンこそはあの不滅の生命を持つ『ふしぎの国のアリス』以来の愉快きわまる、そしてもっとも強く人の心に迫ってくる存在だ」 (マーク・トウェイン)
  映画はトーキー版等で何度か制作されているようですが、日本の皆さんに一番有名なのは、カナダのサリバン・エンターテイメント制作の映画ではないでしょうか。
根強い原作ファンが多く、映画を製作するのはタイヘン難しい中で、サリバンは見事な映像化に成功したと云えるのではないでしょうか。
アン役のミーガン・フォローズはオーディション時にはすでに16才、原作のイメージが強いだけに、こだわりファンには賛否あるところだとは思いますが、でもファンの数だけアンのイメージがあるとも言えます。結局問題はアンのその性格、内面、そういう意味ではミーガンは適役だとは云えないでしょうか。オーディションでは3000人の少女が集まりましたが、すぐには決まらず、候補者としてあがったミーガンは1年間かけて必死にアンになりきる努力を重ねた上、再度のオーディションによっ
  てようやく選ばれたと云います。いかにこのアン役が難しかったか、サリバンがいかにこだわりをもって制作してくれたかがうかがえる話です。
アンファンならば一度は訪れてみたい、プリンス・エドワード島のすばらしい風景、アンが命名した美しい自然、映画のなかでもいくつか見る事ができ、アンが味わった感動を私たちも画面を通して体感できます。セットとしての「グリーン・ゲイブルス」や村の風景も原作のイメージ通りの、ホントにセットなのかと思うくらいにしっくりとなじんでいてすばらしく、ここにもサリバンの映画作りの意気込みがうかがえます。
この第一作目『赤毛のアン』の大好評による成功によって、続編、完全版と作られ、さらに昨夏より第三作目の制作も始まり、日本公開が待ち遠しいです。モンゴメリ作品の映像化に見事に成功したサリバン・エンターテイメント、アンシリーズだけでなくその他の作品でも、原作のイメージを崩すことなく逆にその見事な映像化には、もうただ感動あるのみです。

とにかく日本では圧倒的な人気を博している「赤毛のアン」。アンブックスの総売上は、既に1200万部を越えると云われています。本国カナダ以外では異例の売上といえます。何故これほど長く愛され続けるのか、まあそこらへんは、とやかく云わず本を読むなり、映画を観るなりすれば、素直に納得できるのではないでしょうか。
  映画「赤毛のアン」第三弾、「The Continuing Story」が3月5日・6日に、カナダCBCで放送されました。日本での上映についてはまだ聞えてきませんが、一日も早く上映されるのを願っています。
映画情報はサリバン・エンターテイメントのサイトにて紹介されています。
こちら
 
  Anne of Green Gables(赤毛のアン) 映画チラシ [1] [2]
映画パンフレット
  Anne of Green Gables Special Edition(赤毛のアン 完全版) 映画チラシ
映画パンフレット
  Anne of Avonlea(続・赤毛のアン/アンの青春) 映画チラシ [1] [2]
映画パンフレット
  Anne of Avonlea Special Edition(続・赤毛のアン/アンの青春 完全版) 映画チラシ
映画パンフレット
 
    
 
  Created : 5 Nov 2000