
"じゃあこれはどう? 黒い馬の前髪をなでた後で未婚の男性と握手すれば、その人と婚約できる。"


"洗濯もできないなんて信じられない。頭がいい割には頼りないのね。"

"待ってよ! せっかくそっちの予定に合わせたのに..."

"フェリシティ、誤解されるようなことする前に、もうちょっと良く考えたら?"

"そういうのを両天秤に掛けるっていうのよ。"


"あたしのじゃないの。フェリシティに頼まれちゃって..."

"もちろん! 決まってるじゃない。わかってるでしょう?"

"良かった、家にいてくれて..."

"おばさんの馬が何だか変なの。"

"うそはついたけど、だますつもりじゃなかったの。"

"あたしはあなたのためを思って... 友だちだもの。"

"だってそうよ、リンゴを選ぶのはフェリシティで、その逆はありえないんだもの。"

"ほんとはふたりの心をもてあそんで楽しんでるんでしょう?"

"フェリシティ! ガスもアーサーもあんなに真剣なのに、あなたときたらまるで品評会かなんかやってるみたいに..."

"だけどあたしとガスは友だちよ。おとなのつもりかもしれないけど、フェリシティだってフェリックスに負けないくらい子供じゃない。アーサーのことは良く知らないけれど、あの人の気持ちが本物なのはわかってる。だからいいかげんにして、どっちかひとりに決めてよ!"

"じゃあ、がんばってね。"
戻る