1989年カナダのサリバン・エンターテイメント制作。112分。
日本では、1990年に「丘の家のジェーン」として松竹により上映。
原作は「Jane of Lantern Hill」(1937年出版)、舞台はプリンス・エドワード島はもちろんですが、トロントに事件をおこしています。

トロントで母と二人暮らしだった12歳の少女ジェーンは、母の病気で突然大金持の祖母の大邸宅に引き取られます。祖母の権威主義や見栄、冷淡さを象徴するようなこの家や親族たちになじめず、唯一心かよわせる9歳の浮浪児ジョディとの友情に喜びを見出します。そんな時突然の手紙により、死んだと聞かされていた父が生きている事を知ります。父は養育権を主張してきたのです。驚き慌てた一族ですが、結局養育権を認めるしかなく、ジェーンをクリスマスまでの間父親のところへ預けることになりました。
  そして、ジェーンは唯一の親友ジョディーとも別れ、父の暮らす プリンス・エドワード島へ旅立つのです。父との二人での生活の中、次第に明らかになる両親がわかれた理由。ジェーンを案じてその後を追って島へ渡ってきたジョディや予言者のヘプシバの励ましにより、叔母の陰謀を暴いていきます。そしてジェーンは、自分の気持ちを父にぶつけ家族三人での生活を夢見て闘っていくのです。
  主人公のジェーン役はマイロン・ベネット。原作のイメージとは違いちょっとおとなしめで印象がうすく、退屈になりそうなところをもう一人の主人公と云ってもいい、ジョディ役の サラ・ポリーの愛敬たっぷりの表情と旺盛な行動力により、映画をひきしめています。
ジョディ役の サラ・ポリーをはじめ、「Road to Avonlea」ファンにはおなじみの俳優がみられます。「Road to Avonlea」ではキング家の長男のフェリックス役で人気のあった
ザカリー・ベネットはジミー・ジョン役として登場、おなじみのいい表情をみせてくれます。彼もサリバンにきにい
  られていたんでしょうか。ジェーン役のマイロン・ベネットとは実の姉弟、ついでにザカリーのお兄さん役も実の兄のガレス、三兄弟仲良く出演、眉毛のあたりがそっくり。
あとはなんと言っても、「Road to Avonlea」、「赤毛のアン」でも、マリラ役だったコリーン・デューハースト。超能力を持つ不思議な予言者ヘプシバとして登場、この映画の中ではキーポイントの役どころです。

「赤毛のアン」や「
Road to Avonlea」のファンの人たちでも、この映画のファンという人は意外と少ないのではないでしょうか。でも私は、「Road toAvonlea」等にまけず劣らず好きな作品です。ストーリーの面白さや映像の美しさなどは他の作品に比べるとかなり見劣りすることは確かですが、漂ってくる雰囲気なんか好きですね。
  秋から冬にかけての撮影で、プリンス・エドワード島の四季折々の姿は見られませんでしたが、金色に輝く秋の草原の景色は文句なくすばらしい。ああいう景色の中をゆっくりと散策したいものです

この映画はどこの局か忘れましたが、数年前夜中に一度放送されていたのを見たのがはじめてです。すでに「
Road to Avonlea」もNHKで放送があった後だったのでサリバン作品ということで即見ました。恥ずかしながら、原作を読んだのはその後です。
 
  映画「丘の家のジェーン」のデータ
  映画のチラシパンフレット
 
    
 
  Created : 26 Aug 2000